3D冷凍 革命の突破口に マルホン小西漁業

引用元:水産新聞 2021年3月9日 掲載

水産加工の進化生み出す

前浜資源の減少など転換期を迎え、商品・経営戦略の改革に取り組む水産加工業界で導入が広がっている古賀産業㈱(山口県下関市、古賀靖社長)の「3D冷凍」。全方位から高湿度の冷気で包み込んで製品を均一に短時間で凍結。解凍後も品質が損なわれないハイグレードの冷凍加工品を生み出す新技術で、既存商品の高品質化や新規商品の開発、製造工程の効率化、商圏拡大などの突破口を開いている。導入3社に聞いた。

活じめを冷凍品で 新展開の基盤担う

寿都町漁協で定置・底建網などを営む㈲マルホン小西漁業(小西正之代表)は、新たに冷凍加工品の製造・販売に乗り出した。数年前からサクラマス・ホッケ・ヒラメなど漁獲物で取り組む船上活じめ、海水氷を使用した鮮度・品質保持に、「3D冷凍」を組み合わせ商品力を強化。前浜産の販売拡大を目指す。

アニサキスの問題で首都圏を中心に量販店が刺身商品を生魚の加工から冷凍品に切り替えるなど昨今の市場ニーズに着目。水揚げ当日に冷凍ができる鮮度や安全面の強みを考え、新展開の基盤として昨年12月に3Dフリーザー1台を導入した。

凍結能力1時間当たり20 ㌔を設備。加工直販担当の内山貴仁さんは「ラウンド、フィレー、刺身用の柵など末端のニーズを聞きながら、例えば、ニシン、サクラマスといった鮮度落ちが早い魚など3D冷凍の特性を生かせる商材作っていく」と説明。販路開拓は「特に北海道産の生鮮流通で日数を要する道外の遠隔地に売り込んでいきたい」と見据える。

 

冷凍刺身「3Dフリーザー」
活じめの冷凍加工に使用

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