下関の魚重、鮮魚加工拡充

引用元:みなと新聞 2022年7月21日 掲載

工場増築、フグと2本柱に

【下関】フグ加工と鮮魚仲卸の魚重(山口県下関市、田崎雅昭社長)はこのほど、本社工場に水産物加工場を増築する工事を完了した。従来の作業スペースに加え、新たに約40平方メートルの加工場を増設。作業台の他、空調や収納棚などを設けて作業効率を向上させる。

同社では創業から半世紀にわたり、主にフグの加工商品を手掛けてきた。10年ほど前から活魚や鮮魚の取り扱いにも力を入れ始め、フグの加工スペースだけでなく鮮魚を加工したり、さまざまな魚種を立て替えたりするなど、より広い作業場を必要としていた。田崎社長は「作業場を増設したことで、生産性を上げて販路を広げたい」と意気込む。同社の売上高に占める割合は、フグ加工販売と活魚・鮮魚の販売で半分ずつ。買受人が現場で魚の品質や全国からの需給を見極め、いち早く情報を得て商売に結び付けているという。

いまの時期は、活魚ではアワビ、鮮魚ではマナガツオ、クエ、アマダイ、ハモなどを関東を中心に販売している。「フグが主体だと、冬季だけの作業となる。通年稼働できるように」(田崎社長)と仕事を模索し続ける。

同社が自社サイトや直販店で販売するフグは、本社工場で刺身や唐揚げなど各商品に加工する。その中でもトラフグの身欠きは「仕事が丁寧で仕上がりが良い」(同)とリピーター客も多いという。刺身は古賀産業の急速冷凍機・3Dフリーザーを使用し、品質を維持している。「今はなくてはならない機器だ」(同)と評価が高い。魚のフィレーにも同機を用いて急速凍結を行う。

小学生のころから親が働く市場へ顔を出していたという田崎社長。「魚好きの従業員らに元気をもらっている」と、まだまだ現役を続ける意欲をみなぎらせている。

 

本社工場に加工場(右側の建物)を増築した
トラフグの刺身を手にする田﨑社長
フグ 魚重 山口
2022年07月21日 18時20分 配信

お問い合わせ