アナゴ加工の百福、下関に工場

引用元:みなと新聞 2022年6月28日 掲載

ロインや刺身製品販路拡大へ

【下関】長崎・対馬産の活アナゴ加工卸、百福(福岡市、島居百年社長)は昨年、山口県下関市に下関工場を開設した。急速凍結機を設置し、アナゴのロインを出荷。秋口には新たに「3Dフリーザー」を導入し、今後は刺身製品などの投入も計画する。

百福は約10年前、島居社長が創業。島居氏は父孝廣氏が30年ほど前に始めた対馬かまぼこ店(長崎県対馬市)でアナゴ加工業の下積みをした後、独立した。

国産活アナゴの水揚げは多くが長崎や島根などが上位を占める。同社ではそのうち、対馬産のみを活魚の状態で仕入れている。島居社長は「対馬のアナゴは深海のイワシなどを餌とし、頭から尾まで脂が詰まっている」とPRする。その中でも対馬西沖で獲れたものを地元漁師らとともに「対洲黄金(こがね)あなご」と命名しブランド化へ乗り出した。コリコリとした食感と程よい脂のうま味が特長。対馬かまぼこ店は、このアナゴを使用して第54回農林水産祭に「黄金あなごの刺身」を出品し天皇杯を受賞した。

百福は、スーパーなどへの卸や寿司店などの業務筋へ販路を構築してきたが、「対洲黄金あなご」の周知を広げ、かつ生産性を高めるために下関工場を設置。吉田水産(下関市、吉田福太郎社長)と連携を図り、販路の拡大を掲げる。同工場には活かし込み水槽を設置。基本的に仕入れた活魚はその日に加工処理するが、繁忙期には3、4日ほど活かし込むことで鮮度を維持する。

加工は活魚処理の職人らが丁寧に血抜きと皮はぎを行いロインに加工し出荷する。島居社長は「刺身製品も今後販路を伸ばしていきたい」と抱負を述べた。3Dフリーザーの導入により、年末の需要に備える計画だ。

同社では刺身の他、煮アナゴ製品にも注力する。原料は刺身と同じ活魚のみ使用。島居社長は「調理後の凍結だけ行うワンフローズンなので、解凍後もふわっとした食感が保てる」と自信をみせる。

【訂正】6月27日18時20分配信の「アナゴ加工の百福、下関に工場」の記事中、百福は約10年前、「島居社長の父孝廣氏が創業。孝廣氏は、30年ほど前に始めた対馬かまぼこ店(長崎県対馬市)でのアナゴ加工業を下積み経験した後、独立した」とあるのは「島居社長が創業。島居氏は父孝廣氏が30年ほど前に始めた対馬かまぼこ店(長崎県対馬市)でアナゴ加工業の下積みをした後、独立した」の誤りでした。訂正した記事を上記に掲載します。

 

「対洲黄金あなご」の刺身を作る島居社長
丁寧にした処理されたアナゴ
アナゴ 百福 対馬 かまぼこ店 山口 長崎
2022年06月27日 18時20分 配信

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