広島魚市場 食品加工と冷凍で販路拡大

引用元:みなと新聞 2021年11月29日 掲載

子会社の急速冷凍機活躍

【広島】広島市中央卸売市場卸の広島魚市場(同市、佐々木猛社長)はグループ会社の水産食品加工、フレッシュヒロウオ(同、三島章道社長)で冷凍・加工事業を強化、販路を拡大している。3年前から同社加工場の夜間シフトを廃止し、昼時間に稼働を平準化。昨年5月には、日本食品認定機構による対米HACCP認証を取得、受託会社としての信頼を得るとともに輸出拡大へ足元を固めている。

フレッシュヒロウオが推し進めるのが水産物の加工と冷凍。サーモンは月間40トンをフィレーに加工し急速冷凍する。マグロ、カンパチなど養殖物を中心に国内外へ冷凍製品として販売している。急速凍結は古賀産業(山口県下関市、古賀靖社長)の「3Dフリーザー」で行う。広島魚市場は同製品のバッチ式を2台、トンネル式1台を3~4年前に購入し、フレッシュヒロウオ第2加工センターに導入した。バッチ式は主に鮮魚の凍結用として稼働する。フレッシュヒロウオ営業課の松冨陽一次長は「現場でさまざまな機器を試したが、3Dフリーザーの性能に信頼を置いている」と話す。庫内の洗浄もしやすく、重宝しているという。

一方、トンネル型は殻付き、むき、フライなど広島産カキの急速冷凍で活躍する。佐々木社長は「解凍したカキフライの衣が立って、食感と味どちらも良い」と満足の様子だ。風味の強い広島産カキは海外からの評判も上々で、香港や台湾などアジアに向けた輸出が好調だという。販路を広げ商品単価も押し上げた結果、2年前に比べ業績は伸長しているという。同社が量販店のカルディで販売する韓国風のり巻「キンパ」も3Dフリーザーで急速冷凍したもの。

集荷業務だけにとどまらない事業体制で、冷凍を含めた加工食品分野での広島魚市場の挑戦は今後も続く。

 

冷凍流通に手ごたえを感じている佐々木社長
フレッシュヒロウオで稼働するバッチ式の「3Dフリーザー」
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2021年11月29日 18時20分 配信

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