年末へ冷フグ品増産体制

引用元:みなと新聞 2020年11月13日 掲載

最新鋭3Dフリーザー導入

【福岡】トラフグを主体にフグ加工品専門メーカー、ふくます水産(福岡市、稲益徹社長)は、フグの最需要期の年末を前に、冷凍フグ製品の安定供給に向け加工場を整備した。最新鋭の3Dフリーザーを新たに導入し、効率的な冷凍生産を実現。冷凍物の引き合いが強い全国の量販店に供給する。

同社は年々高まる冷凍フグのニーズに応えようと今年9月、古賀産業(山口県下関市、古賀靖社長)のバッチ式の3Dフリーザーを1台導入。福岡市の福岡鮮魚市場内の加工場では、既に導入済みの同機と合わせて2台での運用が始まった。長崎や大分、宮崎などの養殖トラフグの他、各種天然フグを原料に年間80~100トン(うち冷凍品は50~60トン)を加工・販売しており、今後は年間100~150トンの取り扱いを見込む。

同フリーザーはマイナス35度の冷気で急速冷凍でき、フグ薄造りは20分、フグ鍋用切り身は45分ほどで冷凍が完了する。身に霜が付きにくく品質面で高い評価を受けており、解凍後も生鮮品並みの鮮度・食感を保つ。稲益社長は「解凍しても水気が気にならず、見栄えも良い」と太鼓判を押す。

さらに、冷凍フグは長期保存ができるため、出荷先の量販店での廃棄ロスにもつながる。輸送に時間を要する関東地方などの量販店では、繁忙期の店頭での欠品防止に役立っているという。

同社はフグ薄造りの他、フグ鍋用切り身、皮刺しなどを提供、今年はフグ鍋の大皿用商品などギフト品の売れ行きが好調だった。稲益社長は「3Dフリーザーは白身に最適。冷凍品の引き合いは強まっており、今後はフグ以外の天然魚を使った新商品の開発も視野に入れたい」と意気込む。

 

福岡・ふくます水産
新たに導入した3Dフリーザー

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