引用元:みなと新聞 2020年7月3日 掲載
フィレーライン新設、販路拡大へ
【根室】カネ共三友冷蔵(本社・北海道根室市、石田一志社長)は近年、道東で水揚げが増加するマイワシの高付加価値化に取り組んでいる。3D凍結機を導入した昨年に続き、今年は小型魚に対応するフィレーラインを新設。生食できる高品質のワンフローズンラウンド凍結品に加え、フィレーもラインアップし、外食・業務筋向け、量販店向けに販路拡大を図っていく。
「3D凍結」の高品質冷凍
根室産マイワシは禁漁したロシア水域内サケ・マス流網漁の代替でサンマと同じ棒受網漁などで5~9月に漁獲される。同社のマイワシ取扱量は近年増加傾向で、昨年は原料ベース約1500トンを処理。主に輸出を含む缶詰向け、飼料用などの冷凍加工が主力だが、全体の取り扱い増加とともに高付加価値製品の生産も増えている。昨シーズンは「3Dフリーザー」(古賀産業製)を2台導入。ワンフローズンのラウンド凍結品約80トンを生産し、回転寿司チェーン店に採用されるなど外食や業務筋、量販店向けに年内に完売した。
このほど導入したのは、1尾60~120グラムに対応する小型魚腹骨取り3枚卸機と小型バケット式ヘッドカッター(いずれもフィッシュカッターツネザワ製)など。今期もラウンド凍結を軸にしながら、組成が小型化した際に1尾100グラム前後の魚をフィレーにすることで加工領域を広げ、さらなる付加価値化と稼働率アップにつなげる。
ラウンド品とともに拡販
ラウンド凍結はM(1尾110~130グラム)、L(同130~150グラム)、2L(同150~170グラム)などにサイズ分けされ、荷姿は5尾真空パックやバラ凍結など。フィレーは1枚15グラム×20枚入れの真空トレーパックやバラの真空包装など。それぞれ規格はユーザーの要望に応える。「脂ののった根室産マイワシを刺身などの生食向け、かば焼きなどごはん回りのおかず素材としてさまざまな用途で提案していきたい」(石田社長)と話している。
▼カネ共三友冷蔵(株)=北海道根室市琴平町3の38、(電)0153・23・5261
新設したフィレーライン
マイワシのワンフロフィレー