商品化可能なレベル
エアオペレーションテクノロジーズは、岡虎の協力を得て、SA級冷凍すり身が主原料で、でんぷん含量1%以下の焼き抜きかまぼこ「夕波」(容量200グラム)を試料に「3D冷凍」で「す」ができるか否かを確認する比較試験をした。22日午後、17日夕に凍結した試料を解凍。比較したところ、切断面の「す」の有無をはじめ明確な差が認められ、「(3D凍結分)食感なども冷凍前とそん色なく、商品化可能なレベル」(貞政社長)との評価を得た。
試験は、17日午後4時30分に庫内温度マイナス35度の標準仕様「3D」と、通常のエアブラスト(AB)冷凍庫で試料を同時凍結。試験区、対象区ともに芯温マイナス20度以下まで冷やし込んだ上で、同30度のストッカーで21日午後9時まで保管。その後、2度程度の簡易冷蔵庫で解凍を始め、22日午後1時から半解凍状態の試料を25度の室内温度下で物性変化を調べた。
冷凍・解凍後の視覚、官能試験では「3Dフリーザーは表面はなめらかで「す」も、弾力、食感の変性もほとんど認められず商品になる」のがわかった。一方、AB庫は「す」が目立ち、ドリップがしたり大きな差が出た。
今回のAOTの自社試験では、エソを中心に地魚すり身100%の「伝承づくり」での比較試験を補完的に実施したが、「す」の数、大きさなどほぼ同様の結果が表れた。でんぷんをはじめ糖分、化合物の含量が低い分、「す」ができやすいとされる高級焼き抜きかまぼこで、一定の成果を得たAOTは「次回はより厳密で客観的な科学的検証ができるよう、試験の精度とハードルをあげていく」(古賀社長)方針。
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