飲食店・中小食品会社に
急速冷却・冷凍装置メーカーのベンチャー企業エアオペレーションテクノロジーズ(山口県下関市、古賀靖社長)は、一般の飲食店や中小の食品メーカー向けの小型機種を開発し、全国販売する。同社の装置は非貫流方式と名付けた独自の冷却方法で冷凍し、生鮮食品などの食材を高品質に保てるのが特徴。従来、大型の特注品などが中心だったが、小型機種で販路を開拓する。
通常の冷凍機が冷気を食材に高速で吹き付けて冷やすのに対し、同社の冷却・冷凍装置は、装置内で冷気をゆっくりと循環させて冷やす仕組み。食材の水分もほとんど蒸発させないため、刺身や肉なども品質の劣化が少ないという。
1998年にこの冷却方式で日本の特許を取得、昨年までに米国、韓国、、中国、EU(欧州連合)でも特許を取得し、「3Dフリーザー」の名称で製品化した。しかし、販売実績は一台八〇〇万以上する中型機や二千万円以上する大型機や特注品が中心で、販売先は約二二〇事業所にとどまっていた。
今回はサイズが高さ一.七七㍍、幅八十四㌢、奥行き一.一五㍍と小型で価格を二百十八万五千円に抑えたことから、一般の飲食店や食品小売店、中小の食品メーカーなどに販路を拡大する。焼きあがったギョーザやピザを熱いまま冷凍できるほか、解凍後も水っぽくなりにくいという。従来に無い使い勝手の良さなどを売り物に販売を進める。同社に対しては、山口県や山口銀行などが設立した「やまぐちドリームファンド投資事業有限責任組合」がこのほど、新株予約権付社債で二千万を投資した。2月にはやまぎん地域企業助成基金(理事長・福田浩一山口銀行頭取)も助成先に選定している。
非貫流方式という独特の方法で食材の品質を保つ「3Dフリーザー」