3D冷凍寿司を開発

引用元:みなと新聞 2011年2月15日 掲載

レンジ解凍で品質保持「てまりくん」

株式会社てまりくんは「3D冷凍技術」を使って、解凍してもつくりたての鮮度や食感を復元できる冷凍寿司を開発した。冷凍による酢飯の白蝋化(はくろうか)を解決し繊細な各種の寿司ネタの品質を保つ画期的ノウハウで、15日、16日の両日大阪市で開かれるシーフードショーに出展」に出展する。ブースNoはS-208。

長期保存が利く作り置きした冷凍寿司は、まとめ買いをしてもロスを出さずに安定的な販売ができる。このため、結婚式場や外食産業、海外の寿司バーなどの冷凍寿司へのニーズは強い。しかし、繊細な寿司のネタとシャリの質を損ねずに寿司を凍結、解凍するのは現実的には難しい。

同社は非貫流熱交換方式で庫内に3次元の冷気の乱流を創出し、湿度を保って食材全体を包み込むように短時間で効率的に素材の水分、細胞を損ねずに冷やし込む「3Dフリーザー」に着目。製造元のエアオペレーションテクノロジーズ株式会社と共同で電子レンジで解凍しても作りたての状態に復元できる冷凍寿司の開発に取り組んだ。

結果、コメの白蝋化など酢飯の変性、魚介からのドリップや変色などの根本的な問題を解決。45年続く北九州市戸畑区の照寿司を営む渡邊社長が「ネタ、シャリ、ワサビなど作りたて鮮度感、食感、味を保てる」と納得する冷凍寿司の製法を見いだした。

これまでのところ、エビ、イカ、サケ、ヒラメのほかイクラ、マグロやシソの葉、菊花、ショウガなどを使った巻き寿司、細工すしの品質を損ねない適正な酢加減、包装法、温度帯、冷凍時間などの基本ノウハウを確立。今後もウニやコハダの握り寿司などの順次、開発していく。

現在、同社は静岡県伊東市に専用工場を建設中で竣工すれば日産1万個の量産態勢が整う。その後は「英国の代理店を通じて寿司ブームに沸くヨーロッパやアメリカなどの冷凍寿司輸出にも本格的に乗り出す」

 

3Dフリーザーで巻き寿司を冷凍する渡邉社長
冷凍による白蝋化、魚のドリップを解決しネタの鮮度感を保つ手まり寿司
西日本発WEST 山口・福岡・大分・鹿児島

お問い合わせ