3D凍結マイワシ販路拡大

引用元:みなと新聞 2019年7月23日 掲載

カネ共三友冷蔵が外食開拓

【根室】カネ共三友冷蔵(本社・北海道根室市、石田一志社長)は近年、道東で水揚げが増加しているマイワシの高付加価値化に取り組んでいる。急速冷却冷凍装置「3Dフリーザー」を導入し、棒受網漁が本格化した6月から生食も可能な冷凍マイワシ生産に乗り出している。

根室産マイワシは、禁漁したロシア水域内サケ・マス流網漁の代替でサンマと同じ棒受網漁などで5~8月に漁獲。サンマやサケの水揚げ低迷が続く中で、「根室七星」(ねむろしちせい)のブランド名で官民を挙げて知名度向上に取り組む。漁獲量では巻網船が水揚げする釧路に及ばないが、根室産は鮮度保持設備の整ったサンマ船が同様の漁法で獲り、水氷を張ったタンクで港に揚げるため、高鮮度・高品質で知られる。

同社のマイワシの取扱量は、近年増加傾向で昨年は約400トンを処理。「缶詰などの冷凍加工原料で輸出向けが主力」(石田社長)。今期は国内販路の開拓を視野に古賀産業(山口県下関市)の「3Dフリーザー」を導入し、より高付加価値の冷凍に乗り出した。

国内外食や中食業態向けに売り込む。脂のりが良く、サンマに匹敵する味わいのマイワシの刺身など生食向け、かば焼きなどのご飯周りのおかず素材として提案する。ラウンド凍結でM(1尾110~130グラム)、L(同130~150グラム)、2L(同150~170グラム)にサイズ分け。5尾真空パックやバラ凍結のバルクなど、荷姿はユーザーの要望に応えている。

小売・外食業態ではアニサキス食中毒発生のリスクを避け、安定した品質で通年で扱える高付加価値な冷凍原料を求める動きがあり、ニーズに応える。

「回転寿司チェーンでの採用も決まり、引き続き販路開拓に努めている。鮮度を重視して水揚げしたその日のうちに3D凍結している。シンプルなラウンド凍結で刺身の他さまざまな用途にお使いいただける」と石田社長。同社は今期マイワシ取扱量を前年の2倍の800トン程度に引き上げたい考えだ。

▼カネ共三友冷蔵(株)=北海道根室市琴平町3の38、(電)0153・23・5261

 

石田一志社長
第3工場に設置され、6月から本格稼働している「3Dフリーザー」
高鮮度を保持したまま凍結されたマイワシ
イワシ カネ共三友冷蔵 北海道
2019年07月23日 18時20分 配信

お問い合わせ