養殖ブリは、凍らせると血合いが黒褐色に変わり、商品化が難しいとされてきた魚です。その前提を覆した凍結試験を、2010年5月10日付のみなと新聞が報じました。本記事では、3Dフリーザーで凍らせた養殖ブリが、凍結から22日後の解凍でも色・食感・味をほぼ保った試験の条件と結果を整理します。血合いが黒変する理由、冷凍出荷と輸出にとっての意味、自社のブリで色持ちを確かめる手順まで解説します。
引用元:みなと新聞 2010年5月10日 掲載(社名は掲載当時のものです)
※本記事は、紙面で報じられた当時の内容をもとに、背景や現在の情報を補って読みやすく再構成しています。

結論:凍らせた養殖ブリが、凍結22日後の解凍でも血合いの色と食感・味を保った
要点は、「冷凍商品化は不能」が定説だった養殖ブリで、血合いの色と身質を保ったまま凍結できることを、エアオペレーションテクノロジーズ(AOT)が22日間の試験で立証したことです。紙面の内容を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試料 | 真空包装した養殖ブリのスキンレス・ロイン |
| 凍結条件 | 通常より低温の-50℃で約40分。芯温-20℃以下まで冷却 |
| 保存 | -35℃帯で約3週間(凍結から22日後に解凍) |
| 解凍 | 家庭用冷蔵庫(5〜10℃)で約17時間、室温(20℃前後)で1時間置いて開封 |
| 色とドリップ | 血合い・白身とも凍結前とほとんど変わらない色。ドリップはほぼなし |
| 食感・風味 | 生鮮品と同等の評価 |
3Dフリーザーで凍らせた養殖ブリは、22日間の試験を通じて、解凍後も凍結前とほとんど遜色ない色合いと身質を保てることが確かめられました。試験結果を受けてAOTは当時、専門家や学識経験者の助言・協力を得ながら研究開発を重ねる方針を示していました。
なぜ養殖ブリは冷凍品として商品化できなかったのか
ブリのような赤身の魚には、体側の中央部に血合いと呼ばれる暗赤色の筋肉があります。冷凍と解凍の過程でこの血合いが酸化すると黒褐色に変わり、切り身にしたときの見た目が大きく崩れます。紙面によれば、養殖ブリの血合いが黒変することは、エアブラスト凍結だけでなく、窒素凍結や、アルコールなどの冷媒液に浸ける凍結法まで含めて、従来の冷凍法では避けられないと考えられていました。そのため「冷凍商品化は不能」というのが当時の定説でした。
紙面の比較写真でも、従来のエアブラスト緩慢凍結の養殖ブリは血合いが黒褐色に変わっています。凍結方式の違いが、そのまま商品価値の差を生みました。
3Dフリーザーはどのような凍結条件で血合いの変色を抑えたのか
試験では、真空包装した養殖ブリのスキンレス・ロインを、通常より低いマイナス50℃設定の庫内温度に置き、約40分で芯温マイナス20℃以下まで凍結させました。速く凍結させる意味は2つあります。1つは、血合いの黒化を進める酸化に時間を与えないことです。もう1つは、氷結晶を大きく成長させないことです。
魚肉は、マイナス1〜マイナス5℃の最大氷結晶生成温度帯をゆっくり通過すると、身の中で氷結晶が大きく成長して細胞を壊します。組織が壊れた身は、解凍のときに水分がドリップとして流れ出し、色も劣化します。3Dフリーザーは、独自の高湿度3D冷気で食品を全方位から包み込むように冷やし、この温度帯を短時間で通過させる急速冷凍機です。氷結晶が細かくそろうため組織の損傷が小さく、血合いの色の保持とドリップの抑制を両立しやすくなります。
実証を行ったAOTは2011年10月に古賀産業へ吸収合併され、2022年10月の社名変更を経て、現在の株式会社コガサン(KOGASUN)に続いています。この凍結方式は現行の3Dフリーザー®が受け継いでおり、同じみなと新聞では東京海洋大学との着霜軽減の共同実証も報じられました。
22日間の実証試験は養殖ブリの販路と輸出をどう広げるのか
紙面は2010年当時、世界的な魚食ブームを背景に、中国や欧米で日本産養殖ブリの需要が急増していると伝えています。伸びる需要に応えるには、生鮮のままで売り切る期間に縛られない販売方法が必要です。品質を保ったまま冷凍できれば、長期保存と長距離輸送を前提に販路を設計でき、出荷が集中する時期の在庫も分散できます。22日間の実証試験は、輸出を含むその販路計画に品質面の裏づけを与えるものです。
自社の養殖ブリの色持ちを凍結テストで確かめる
同じ養殖ブリでも、血合いの量や脂ののり、ロインか切り身かで凍り方は変わります。判断材料は、自社の魚で作るのが確実です。KOGASUNの凍結テストは無料で、実際の商品を凍らせて解凍し、血合いの色・ドリップ・食感を導入前に確認できます。申し込み窓口は冷凍・冷却テスト・デモ相談です。テストで残る温度記録と比較写真は、取引先に品質を説明する根拠にもなります。
養殖ブリの冷凍と血合い変色でよくある質問
通常の3D冷凍の温度帯より低い庫内温度に設定し、芯温マイナス20℃以下まで短時間で凍結させるための条件です。凍結の速さが血合いの酸化と氷結晶の成長を左右するため、2010年の報道の試験では庫内温度を下げて凍結時間を短縮しています。最適な条件は魚体の厚みや包装で変わるため、実際の商品での凍結テストで確かめるのが確実です。
2010年に報じられた試験が確かめたのは、マイナス35℃帯で保存し、凍結から22日後に解凍した時点までの品質です。それより長く保存した場合の品質は、この試験の結果からは判断できません。想定する保存日数と保管温度を決めたうえで、同じ条件で自社の商品の凍結テストを行い、解凍後の色と食感を確かめてください。
解凍時に流れ出るドリップは、旨味の流出と目減り、見た目の劣化に直結します。切り身やロインで売るブリでは、ドリップの少なさが歩留まりと売価を左右します。2010年に報じられた試験でドリップがほとんど出なかったことは、色持ちと並ぶ品質保持の裏づけになります。
使えます。血合いの黒変は赤身魚に共通する課題で、独自の高湿度3D冷気で包み込み、短時間で凍結させて酸化と組織の損傷を抑える3Dフリーザーの考え方は、魚種を問わず当てはまります。ただし、2010年の報道が確かめたのは真空包装した養殖ブリのロインで、天然ブリやカンパチの結果は含みません。脂ののりや商品形態で凍り方は変わるため、対象の魚種ごとにブリの切り身の凍結テストのような実測で確認してください。
あります。輸出ロットの規模に対応する大型機を、処理量と工程に合わせてカートイン、ラックイン、トンネル型フリーザー、スパイラルフリーザーのオーダーメイドで設計します。血合いの色を保つ凍結を工場ラインの連続処理に広げられるため、加工場の新設や輸出ラインの計画は冷凍・冷却テスト・デモ相談の窓口からご相談ください。
まとめ:血合いの色を保つ凍結が、養殖ブリの販路を広げる
みなと新聞が報じた実証試験は、独自の高湿度3D冷気で凍らせる3Dフリーザーの養殖ブリが、22日間の試験を経ても血合いの色と食感・味を保つことを示しました。血合いの黒化という課題を克服できることが示された以上、養殖ブリは生鮮のままで売り切る期間に縛られず、長期保存・長距離輸送・輸出まで販路を広げられます。無料の凍結テストで、血合いの色とドリップを導入前に確かめられます。カタログ請求やテストのご相談は、以下からお問い合わせください。
